光回線を新たに契約する場合や他社へ切り替える手続きをする時に必ずでてくる言葉がこの「工事」です。「工事」と聞くと

「壁に穴をあけるのではないか?」
「事前に大家さんや管理会社に許可が必要なのか?」

などと不安になる方もいると思います。しかし、そのようなケースは非常に稀であり、ほとんどの場合は、「工事」というよりも「作業」と言ったほうが正確かもしれません。

今日は、その疑問に全てお答えします。また、知っておくと得する情報もお教えしますので、ぜひ最後までお読みください。

光回線って何?

工事について話をする前に、「光回線」とは何かを理解しておく必要があります。

光回線とは光ファイバーを利用したインターネット通信サービスのことで、他のインターネット通信サービスに比べて回線速度がとても速いのが特徴です。

回線速度は、1~10Gbpsと提供会社によって様々な速度のプランがあります。

光回線が普及する前は、ADSLという固定電話回線を利用したインターネット通信サービスが有名でした。通信速度は1~40Mbpsと光回線に比べてかなり遅いうえに、基地局から離れれば離れるほど、通信速度が落ちてしまいます。

提供エリアに関しては、ADSLの方が広いと言うイメージを持っている方もいるかもしれませんが、光回線のエリアカバー率は95%であり、現在は日本全国で利用することができます。これは、あくまでも日本全体で見た場合であり、地域限定で光回線を提供している会社もございます。

例えば、よく名前を聞く「NURO光」のサービス提供エリアは、もともと関東1都6県(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬)のみでしたが、2018年1月より東海4県(愛知、静岡、岐阜、三重)、関西2府3県(大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良)でもサービス提供を開始するようになりました。

そのため、引越しをした際に、新しい引越し先で同じ会社の光回線を利用できなくなるケースもあります。

各会社のサービス提供エリアは、各会社のホームページで検索できます。有名な光回線提供会社のエリア検索サイトのURLを下記に載せましたので、不安な方は一度調べてみましょう。

NTT東日本

NTT西日本

au光

NURO光

工事はなぜ必要なのか?

ではなぜ光回線を契約すると工事が必要なのでしょうか?

各事業者は電話回線や光ファイバーを収容局という施設から地中や電柱の架線を使用して、各家庭に届けています。しかし、全ての家庭が光回線を契約しているわけではないので、各家庭には繋がっていません。

つまり、光ファイバーを使ってインターネットサービスを利用したい場合には、一番近い電柱から光ファイバーを家まで伸ばす必要があります。

この光ファイバーを自宅に引き込む作業のことを「工事」と呼んでいます。

このように家まで直接光ファイバーを繋げてインターネットサービスを利用する方法をFTTH
(Fiber to the Home)と言います。直訳すると「光ファイバーを家まで繋げる」となります。

余談にはなりますが、実は、ケーブルテレビ会社が提供しているインターネットサービスも光ファイバーを利用しているということはご存知でしょうか?

しかし、ケーブルテレビ会社のインターネットサービスは最速でも320Mbpsと光回線と比較するととても遅いです。

では、なぜ同じ光ファイバーを利用しているのにも関わらず、回線速度にこれほどの差が出てしまうのでしょうか?

答えは、光ファイバーの引き込む方法が違うからです。

ケーブルテレビ会社の場合は、元々はテレビの会社なので、自宅に引き込む際にテレビ線(同軸ケーブル)を利用しています。この方法をHFC(Hybrid Fiber Coaxial)と言います。

ノードという機械を使って、光ファイバーとテレビ線を繋いでいるのですが、この接続をすることで、回線速度が一気に落ちてしまうのです。

つまり、ケーブルテレビ会社が提供しているインターネットサービスは物理的に速度をこれ以上は上げることができないのです。

このように、光ファイバーを使ったインターネットサービスでも自宅への引き込み方によってこんなにも差が出てしまうのです。

ファミリータイプとマンションタイプ

FTTH方式での引き込み方は2種類あります。

それが「ファミリータイプ」と「マンションタイプ」です。

名前からも想像できるように「ファミリータイプ」は主に「一戸建て」で利用され、「マンションタイプ」は「集合住宅」で利用されることが多いです。

では、二つの違いをご説明します。

「ファミリータイプ」は世帯単位の契約で行い、直接光ファイバーを引き込みます。それに対して「マンションタイプ」は集合住宅の共有部に光ファイバーを引き込み、そこから各部屋に接続します。

つまり、1世帯で利用するために光ファイバーを引きこむ「ファミリータイプ」に対して複数世帯で利用することを前提に光ファイバーを引きこむ「マンションタイプ」に分かれます。

そのため、複数世帯で利用することを前提としている「マンションタイプ」の方が料金は安いです。

ちなみに1本の光ファイバーは最大32世帯で共有することができます。

それに対して、ケーブルテレビ会社の場合は、上限がありません。そのため、エリアによっては100世帯以上で利用している場合があります。これも、回線速度を落とす要因の一つです。

では、実際の「工事」の内容を「一戸建て」の場合と「集合住宅」の場合に分けて説明しましょう。

「一戸建て」の場合

一戸建ての場合んは大きく分けると屋外での作業と屋内での作業に分けれます。

Step1 屋外での作業

先ほどもお話をしたように皆さんの自宅の近くの電柱まで光ファイバーは届いています。そのため、まずは電柱から家の外壁に金具を使い光ファイバーを固定します。その次に、その光ファイバーを室内に引き込むのですがその方法は大きく3種類に分かれます。

①電話線の配管を通して、引き込む方法

ほとんどの家にはもともと、電話線などを電柱から宅内に引き込むための配管があります。この配管を通して光ファイバーも宅内に引き込むのが最も一般的な方法で、多くの場合はこの方法で引き込みが可能です。

②エアコンダクトを利用して引き込む方法

①の方法が難しい場合には、エアコンダクトから引き込むことが多いです。

③壁に直接穴を開けて引き込む方法

②の方法も難しい場合には、壁に直接穴(直径1cm程度)を開けて室内に引き込みます。

③のケースは極めて少なく、通常であれば①もしくは②の方法で引き込むことが可能ですので、壁に新しい穴を開けることはほとんどないです。

Step2 室内での作業

では、室内の作業についてをご説明します。

室内に引き込んだ光ファイバーはそのままでは使えません。多くの情報を早く遠くに運ぶことができるのが光ファイバーの特徴ですが、それは光の信号を伝送しているからです。

しかし、私たちの身の回りの電気機器は情報を全て「0と1」の電気信号でやり取りしています。つまり、光ファイバー内を通ってきた光信号を電気信号に変化する必要があります。そのためにはONU(Optical Network Unit)という装置が必要があります。

ONUは日本語では、「光回線終端装置」と呼ばれており、光ファイバー内を流れてきた光信号を電気信号に変えたり、その逆をします。

ONUの設置場所は、様々です。

最近建てられた家には「マルチメディアボックス」という宅内のLANケーブルや電話線、テレビ線をまとめた設備を完備しています。そこにONUを繋げることによって、LANコンセントが設置されている部屋ではそのまま光回線が利用できるようになります。

もし、マルチメディアボックスがない場合には、光コンセントを作る必要があります。光コンセントとは、光ファイバーを利用してインターネットを利用する際には必ず必要な専用のコンセントのことです。

この光コンセントとONUを接続することで光回線を利用することができるようになります。

どこに光コンセントを設置するかは、電話機の位置やインターネットをよく使う部屋などを考慮し自由に決めることができます。しかし、設置できる場所は一箇所のみになります。あとから位置を変更することも可能ですが、その為には再度設置工事が必要になります。費用は新規開通工事とほぼ同額になるケースが多いです。非常に勿体無いので、しっかりと考えて最適な場所に設置しましょう。

「集合住宅」の場合

集合住宅の場合には、基本的には行う作業は一緒ですが、先ほども説明したように集合住宅の場合には、各部屋ごとに光ファイバーを引き込むのではなく、共有部に引き込んでから各部屋に接続します。その理由は、各部屋に直接光ファイバーを引きこむと配線が大変複雑になるためです。

そのため、まとめて管理できるよう通常MDF(Main Distribution Frame)配電盤という設備があります。

MDF配電盤とは、建物全体のテレビ線や電話線、光ファイバーを集約している箱だと思ってください。

通常この工事はすでに施行されています。何故ならば、光回線を利用することのできない集合住宅はそれだけで価値を下げてしまうからです。

つまり、「集合住宅」の場合には、すでに建物内までは光ファイバーが引き込まれているのです。あとは、MDF配電盤から自分の部屋まで光ファイバーを引き込むだけでいいのです。

室内の設置に関しては、同じく光コンセントを用意し、ONUと接続して完了となります。しかし、集合住宅の場合には、光コンセントを設置できる場所は一戸建てほど自由には決めることができません。あらかじめ決められている場所に設置するケースが多いです。

私の場合は、3LDKのマンションに住んでいますが、光コンセントの設置が可能な場所はリビングのみでした。その為、普段仕事をしている一番奥の仕事部屋にはWifiを活用してインターネット接続をしています。

工事がすぐにできない場合

今まで説明した内容は、基本的な場合です。ごく稀にその日にすぐに工事ができなかったり、工事そのものができないケースがあります。

どのようなケースが考えられるのかいくつかをご紹介いたします。

①建物のオーナーから工事の許可が下りない場合

「一戸建て」でも「集合住宅」にしても、賃貸で住んでいる場合には、外壁に光ファイバーを固定したり、壁に穴を開けるなどの工事をする場合には必ず大家さんや管理会社に確認をする必要があります。このような場合には、事前に大家さんや管理会社に光回線の利用をしたい旨を伝え、工事を行う必要性があることを伝える必要があります。

しかし、もしこの時点で大家さんや管理会社から工事の許可が下りない場合には、工事ができず結果として光回線を利用できなくなってしまいます。

このような場合には、オーナーと交渉をするしか方法はありません。

私であれば、光回線を利用できるようになると物件の価値が上がり入居メリットが増えるなどのメリットを伝え、交渉します。

②配管が使えない場合

前項でもお伝えしたように光ファイバーを引き込む際に最も一般的な方法がすでにある配管を利用して引き込む場合です。しかし、その配管が潰れていたり、途中に穴が空いていたり、詰まっていたりして無理に通そうとすると他の回線を傷つけてしまう恐れがある場合には、工事担当者の判断で、工事を一時中断する場合があります。

③MDF配電盤に空きない場合

集合住宅にお住いの方で、たまにあるのがMDF配電盤に空きがないために工事ができないというケースです。

例えば総世帯数が40世帯の集合住宅があるとします。
しかし、前項でも述べたように1本の光ファイバーは最大で32世帯でしか共有できません。このような場合には通常光ファイバーを2本引き込みます。

しかし、このような集合住宅で光ファイバーを1本しか引き込んでいない場合には32世帯で既に使用している場合には、もう1本光ファイバーを引き込むか、どこかの世帯が光回線の契約を解除して空きができない限り工事をすることができません。

ちなみにどの世帯も光回線の契約を解除せず、管理会社等が新しい光ファイバーの引き込みを行わない場合には、光回線を利用することができません。

④管理組合が設備導入を許可しない場合

これは分譲マンションでケーブルテレビ会社が建物全体のインターネット設備を提供している場合によくあるケースです。

このような場合には、ケーブルテレビ会社のサービスを利用できることを売りにしている物件も多いので新たに他社のインターネット回線の設備を増設する必要性が低いと判断され、導入に消極的なケースがあります。

このようなケースの場合には、管理組合の総会での承認が必要です。分譲の場合には、導入の費用負担は管理組合が行うので、光回線を利用しない世帯の方々も費用を負担する必要になります。そのために、なかなか承認が得られない場合もあります。

⑤光ファイバーの幹線がない場合

前項でも述べましたが、光回線のエリアカバー率は現在95%です。しかし、5%では利用ができないのです。

残念ながらこの5%のエリアにお住いの方の場合、光回線を利用できるようにするためには様々なハードルがありすぐに実現することは難しいのが実情です。

最大のハードルが「光配線区画」というNTTのルールです。これは、光ファイバーの敷設をエリア単位で行うというルールであり、加入者の少ないエリアに関しては、たとえ近くに設備があったとしても光ファイバー持ってくることができないケースがあります。

解決方法としては、幹線を自宅に近くまで伸ばしてもらったり、新たに電柱を設置して光ファイバーを伸ばすなどの方法がありますが、設置費用や電柱を設置する場所の土地の所有者の許可が必要なため実現には時間がかかります。

残念ながらこのようなエリアにお住まいの方で、どうしても光回線を利用したい方は引越しを検討する必要があります。

工事開始までの期間や費用などについて

では次に工事開始までの期間や費用、事前に必要な準備などについてご説明します。

①工事開始までの期間

工事開始までの期間は人それぞれです。光回線の申し込みを行うとまずすることが工事日を決める作業です。

工事日の決め方は、事業者によって多少違います。申し込み時に決める場合と申し込み後にオペレーターから連絡があり日程を決める方法などがあります。

もちろん、一度決めてから後で変更やキャンセルはできますが、事業者によってそこのルールは違うので、お申し込み時に確認をしましよう。

工事は、平日はもちろん土日祝日も可能です。しかし、土日祝日に工事を行うと別途3,000円程度の追加料金がかかりますので、注意をしましょう。

工事開始までの期間は、時期によって大きく変わります。

早ければ1週間ぐらいで工事をすることができますが、特に引越しが集中する時期や土日のみを指定した場合に関しては、工事日が約1ヵ月後になるケースもあります。

実際の工事は、何もトラブルがなければ1時間程度で終了します。
早くインターネットを使いたい方はできる限り平日に工事を行いましょう。

②工事費用について

工事費用に関しては、ほとんどの場合15,000円~24,000円かかります。これは「ファミリータイプ」なのか、「マンションタイプ」なのかによっても金額は変わってきます。最も工事費用が高いのはNURO光で、40,000円かかります。

この工事費用は多くの場合は分割でお支払いする形になります。分割回数は24回~60回と選ぶことができます。

また各社、工事費用の割引キャンペーンを行っており、工事費用が減額されるケースが多いです。

このキャンペーンは、時期や契約をするお店によって内容が変わりますので、お申し込み時に各社のホームページを確認したり、直接お店に行って、どのようなキャンペーンを行っているのかを確認しましょう。

特にお店ごとによって行っているキャンペーンは直接お店に行ってみないとわからないので、面倒かもしれませんが実際に行ってみてください。

たとえば、店舗Aでは光回線を新規で契約した場合に工事費用と同額の商品券をプレゼントをしているのに対して、店舗Bでは何もキャンペーンをしていないというケースもあります。このような場合に、店舗Bで契約してしまった場合には、同じ光回線を使っているのにも関わらず、大きく損をしてしまいます。

③接続に必要な機器について

工事日が決まったら、光回線が開通したらすぐに使えるように、接続に必要な機器を準備しておきましょう。
ONUやルーターに関しては回線事業者やプロバイダー会社より送られてきますので、必ず工事日までに受け取りを終わらせておきましょう。
工事日の前に受け取りが完了していない場合には、工事ができませんので、工事日を延長することとなり、さらに時間がかかってしまいます。

その他に準備しておくものとしては、LANケーブルやWifi用の中継器などがあります。自宅の構造やインターネットの使い方によって必要な機器等が変わってきますので、光回線申し込み時に自分がどのようにインターネットを使いたいのかを相談し、必要な準備物等確認しましょう。

④切り替えを考えられている方
現在すでに光回線を利用しており、他社の光回線に切り替えを考えている方に関しては既存の光回線の解約時期に注意をしてください。

新しい光回線が開通する前に既存の回線を解約してしまうとインターネットが使えなくなってしまう期間が出てしまいます。

そのため、既存の光回線の解約時期は新しい光回線が開通したあとに設定しましょう。

しかし、お住まいの設備によっては、既存の光回線を解除した後でなければ、新しい光回線工事ができない場合があります。このような場合には、新しい光回線をお申し込みをする際に登録担当者にインターネットが使えなくなる期間があると困る旨を伝え、既存の光回線の解約時期などについて相談しましょう。

その他にも既存の光回線の契約更新時期も確認をしましょう。時期によっては違約金が発生する場合があります。詳しくわからない方に関しては、既存の光回線のカスタマーセンター等に連絡をして確認をしましょう。
しかし、光回線の切り替えずに発生する違約金などに関しては、新しい光回線提供業者が全額負担してくれるキャンペーンを行っている場合が多いのでご安心ください。

まとめ

最後までお読みいただきまことにありがとうございます。

今まで、色々と説明をしてきましたが、皆様に知っていただきたいことは光回線の工事とは、ほとんどの場合「工事」ではなく、とても簡単に終わる「作業」であることです。

工事と聞くと心配になるかもしれませんが、安心してください。それよりもいかに工事費用をかけずに光回線を利用するかの方がずっと大事です。

是非、実際にお店に足を運び、料金の比較を行い、キャンペーンをフルに活用してお得に光回線を利用しましょう。

この情報が少しで皆様のお役に立てたのであれば幸いです。